連載第2回
振付家・アーティスト 香瑠鼓(カオルコ)さん

あぴフェスD

 

~ネイチャーバイブレーションメソッド~

香瑠鼓
『ネイチャーバイブレーションメソッド』というオリジナルメソッドを作ったのですが、これは「生まれつきの自分の役割を引き出す」というものなんです。自然界との共振・・・私には花や木や石や自然界の全てが歌っているように聞こえます。歌っていること自体が自由で楽しくて、それらと共振することをメソッドにできないかと。私のところに来ている重度の障害を持った方たちとも助け合え、お互いをいかすメソッド。いろんな人とのかかわりの中で一番いい答えを見つけていくというか、相手や状況などを受け取って、固定観念でない一番良い答えを出すことと言ったらよいのかな。

馬場
障害者の方たちとのかかわりについてお話していただけますか。

香瑠鼓
私の妹が足が悪く、彼女自身が障害者のボランティア活動をしていた関係もあって、私のプロデュースした公演にたくさんの学習障害の子供たちを招待したんです。ある時、私のダンスパフォーマンスを見た女の子が弟子にしてくれと言いに来ました。(その子のお母さんの話では、)彼女は生まれて初めて自分からやる気をだしてくれたんです。それがきっかけでこれまで約20年間、障害者の方たちと『あぴラッキー』というバリアフリーなエンターテイメントライブ公演を日本全国で展開してきました。昨年は、そのプロチームが韓国に行って公演をしてきました。50~60代のお客様も多かったのですが、韓国の方たちは熱気がありびっくりしました。
ネイチャーバイブレーションメソッドは、シンプルでその人によって伝え方が変わってくる。陰と陽のように対極的で(固定的な)答えのないもの、言いかえれば10人いたら10の答えがあるものなんです。このメソッドを通じていかに自分を自由に開放させるかという方法を見つけるものなんです。

馬場
私たちもこんどワークショップに参加させていただくんですけれど楽しみですね。香瑠鼓さん、これからの活動についても教えていただけますか。

香瑠鼓
東京大学の教育学部の非常勤講師としてネイチャーバイブレーションメソッドを教えることになりました。以前、うちのダンス教室に通っていた大阪の拒食症の女子学生がいたんですが、うちのレッスンに来ると食事が出来ると言って、通ってきていたんです。その生徒がその後頑張って東京大学の博士課程に進み、同じ研究室の人と私のメソッド関連の研究をしてくれています。みんなの研究に役に立つような授業ができたらいいなと思っています。
『あぴラッキー』に関しては、ドキュメンタリーフィルムを作り、海外にも広めようという話があります。いろんな国で『あぴラッキー』の公演を開催してつながれたらうれしいですね。
それからネイチャーバイブレーションメソッドを全国に広めたいので、メソッドのネット配信も考えています。これだと遠隔地の方や学校でも利用できます。

馬場
今年もいろいろな人と人のつながりの中でお仕事ができそうですね。実は私たち社会科学部稲門会のシャガールの会からもお願いがあるんです。来年2016年は学部創立50周年で、私たちも学部に協力して色々なイベントを継続的に展開していこうと思っているんです。そこで『あぴラッキー』ライブ公演を記念事業のひとつとして開催するというのはいかがでしょう。

香瑠鼓
面白そうですね。

馬場
4月に企画案をまとめるのですが、それまでに何度か相談に乗っていただけますか。

香瑠鼓
学生さんや教授とかお客さんを主役にして舞台でパフォーマンスなんか良いですね。

馬場
いいですね。現役学生、教職員の方、卒業生の三位一体で交流し盛り上げていくという稲門会の目標にも一致しますね。それでは香瑠鼓さん、最後に早稲田大学社会科学部の学生に向けてメッセージをお願いします。