連載第2回
振付家・アーティスト 香瑠鼓(カオルコ)さん

韓国2

 

~日本人の多様性、感性に誇りを~

馬場
これまでお仕事をする上で一番大切にされてきたことってどんなことですか。

香瑠鼓
私はオリジナルにこだわってきました。日本発の世界でまだ見たこともないものが創りたかったんです。私は学生時代から日本人の感性に誇りを持っていて、大切にしたいなと思っていました。まわりの人たちはなんで外国の真似をするんだろうと・・・。

たとえば『八百万の神』とか『森羅万象』。われわれ日本人独特の全てのものに神様が宿っているという考え方や自然との共生。日本人が誇りに思っているものをフィーチャーしてパフォーマンスにしていくことがやりたいんです。

馬場
そのあたりをもう少し詳しく聞かせていただけますか。

香瑠鼓
伝統的な能の世界では、『すり足』ひとつとってみても足の重心を前にかけるのと後ろにかけるのでもぜんぜん違う感じ方になります。日本人の多様性、能面のように、泣いているような怒っているような、笑っているような感じ。たとえば恨めしいけど好きだとか、恥ずかしいけれど結構積極的っていうような割り切れない感情っていうのかな、それがすごく面白いと思います。

馬場
そういうことに関心があってそれを再現していきたいと・・・。

香瑠鼓
そうですね。再現と言うより伝統をふまえて新しいものを創りたいです。